No.127 (辛亥革命と中華民国) :
「清を滅ぼしたのは誰か?」
中国のためにはまず清を打倒せねばならないと考えた孫文は,中華民国を建国
(1912年1月)してから北洋軍閥の袁世凱に宣統帝溥儀を退位させる代わりに
中華民国の臨時大総統の地位を譲るという賭けに打って出た。その結果辛亥革
命によって清は滅んだ(1912年2月)が,その後彼は独裁を始め,孫文はそれ
に対抗して国民党を組織した。
<評価の観点>
関心・意欲・態度:
孫文が,大陸の中華人民共和国と台湾の中華民国の双方で,今も「中国建国の
父」として大切な歴史上の人物とされていることに,大きな関心を持って学習
に臨んでいる。
思考・判断:
孫文が袁世凱に中華民国臨時大総統の地位を譲るかわりに,袁世凱が孫文の要
求に応えて清朝を滅ぼしたという,両者の「ギブ・アンド・テイク」の関係に
ついて,的確に判断している。
資料活用の技能・表現:
南京に成立した中華民国政府と,北京の清朝政府の政治的な駆け引きについて,
地図上にお互いの要求内容を矢印で示すことにより,正確に把握している。
知識・理解:
孫文が清朝を滅ぼすため,中華民国の臨時大総統の地位を譲ることと引き替え
に,袁世凱に宣統帝溥儀を退位させたことや,その後の袁世凱による独裁につ
いて,基本的な知識を身につけている。